心が満たされないのは君がいないから〜櫻葉〜
最近、とにかく多忙を極める雅紀は自分のマンションに帰っていて寝顔すら見る事も出来ない日だった。
最初、暫く自分のマンションに帰るって言った時は何でって言いそうになったが、雅紀なりの気遣いだと解ったので了承したものの。
1週間ほどでいつもきちんと片付いていた部屋は何故か見事に散らかり何か部屋の空気まで澱んでいる気がする。
早く雅紀帰ってこないかな俺が雅紀のマンションに行こうかな、とか思いながら玄関を開けると、雅紀の靴がきちんと揃えてあった。
慌ててリビングに行くとソファーには台本を持ったまま眠る愛しい雅紀。
部屋は片付けられていて申し訳なくなった。
雅紀、雅紀。
体を揺さぶると長い睫毛が揺れて目が合った。
うん、しょーちゃ、しょーちゃん!
スゴい勢いで抱きついて来た。
雅紀〜来るなら連絡しろよ〜。
予定より早く撮影が終わったからね?来ちゃった。それよりしょーちゃん。
その後の言葉は想像ついたので思わず正座をした。
せっかく久しぶりに何か軽くおつまみでも作ろうと思ったのに。
すいません。
くふふ。でも、少し安心しちゃった。いつものしょーちゃんで。
雅紀。何かさ、また痩せてないか?ちゃんと食べてる?回りに気を使いすぎてないか?
食べてるけど、全部エネルギーに使っちゃうのかな。それより、深刻な事があるんだ。
目をうるうるして見るから何があったんだろうと構えてしまう。俺が守ってやれる事だろうか。
あのね?睡眠不足は大丈夫なの。何とかなるんだけどね、心が満たされないの。
誰かに何か言われたのか?そんなの雅紀が気にする事
すると雅紀は俺の頬に手を当てた。
違うの。自分からここに暫く帰らないって言ったんだけど例えこうやって話を出来なくてもしょーちゃんの存在を感じれるだけで心が満たされるの。
そんなの俺も一緒だよ。だから帰って来いよ。
うん。自分から言ったのにごめんね?
バーカ。俺にまで気を使うなよ。
ふふって笑い合って深くキスをした。
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櫻葉不足を自給自足で補うってね。
大したお話ではありませんが
おやつの供にどうぞ。()っ旦